その他の税金
私達の身近にある税金のうち主だったものをご紹介します。
1 事業税
①事業税とは
事業税とは地方税法の規定に基づき、法人の行う事業及び個人事業者の行う一定の事業に対して課税される道府県民税です。
② 法人事業税
イ 納税義務者
都道府県内に事務所又は事業所を有する法人(公益法人等及び人格のない社団等については収益事業を行っている場合)に対して課税されます。
ロ 確定申告期限
法人は原則として各事業年度終了の日から2ヶ月以内です。
ハ 税額の計算方法
●電気・ガス供給業、保険業を行う法人
収入金額 × 税率 =税額
●資本又は出資の金額が1億円を超える法人(外形標準課税)
付加価値額×税率 + 資本等の額×税率 + 所得×税率 = 税額
●上記以外の法人
所得(連結法人は個別所得、清算法人は清算所得)×税率 = 税額
ニ 納める方法
申告期限までに県税事務所等の所定の場所に納付します。
ホ 特徴
法人事業税は申告納付制度を採用しているため、納めるべき税金を自ら計算した申告書を期限までに提出し納税しなければなりません。
③ 個人事業税
イ 納税義務者
都道府県内で事務所事業所を有する個人事業者のうち次に掲げるを行っている個人です。
●第一種事業
物品販売業、製造業、請負業、不動産貸付業など37業種
●第二種事業
畜産業、水産業、薪炭製造業
●第三種事業
医業、弁護士業、税理士業、理容業など30業種
ロ 申告方法
毎年3月15日までに都道府県税事務所に申告書を提出しなければなりません。ただし、所得税の確定申告書を提出している人は賦課徴収方式を採用していますので、納税者が自ら申告書を提出する必要はありません。
なお、年の中途で事業を廃止した場合は、廃止の日から1ヶ月以内(死亡を起因とした廃止の場合には4か月以内)に申告書の提出が必要です。ただし、所得税の準確定申告書を提出した人は申告の必要はありません。
ハ 税額の計算方法
(事業所得及び不動産所得の金額+所得税の事業専従者控除額-個人事業税の事業専従者控除額+所得税の青色申告特別控除額-各種控除額)× 税率
注)●白色申告者の事業専従者控除について所得税と事業税では控除額が異なります。
●事業税には青色申告特別控除の制度はありません。
●各種控除は次のとおりです。
青色申告者の損失の繰越控除額
被災事業用資産の損失の繰越控除額
譲渡損失の控除及び繰越控除(事業用資産に限り、土地及び建物等を除く)
事業主控除(年額290万円、営業期間が1年未満の場合は月割り)
ニ 納税時期
事業税は毎年8月11月の年2回に都道府県税事務所から送付される納税通知書により納めます。
「事業税」の項をご覧ください。
2 固定資産税・都市計画税
① 固定資産税とは
固定資産税とは、毎年1月1日現在における土地、建物等の不動産及び償却資産を所有している個人又は法人に対して課税される市町村民税であり、都市計画税とは市街化区域内に不動産を有している法人又は個人に対して課税される市長村民税です。
② 税率
固定資産税(標準税率) 1.4%
都市計画税(制限税率) 0.3%
③ 固定資産税の特例
イ 土地
●小規模住宅用地(住宅1戸あたり200㎡以下の部分)
評価額の6分の1まで課税標準を減額する
●一般住宅用地(200㎡を超え住宅の床面積の10倍までの部分)
評価額の3分の1まで課税標準を減額する
ロ 建物
●新築住宅のうち一定の要件を満たす中高層耐火住宅
120㎡まの居住用部分に相当する税額が5年間2分の1に減額
●新築住宅のうち一定の要件を満たす上記以外の住宅
120㎡まの居住用部分に相当する税額が3年間2分の1に減額
④ 都市計画税の特例
イ 土地
●小規模住宅用地(住宅1戸あたり200㎡以下の部分)
評価額の3分の1まで課税標準を減額する
●一般住宅用地(200㎡を超え住宅の床面積の10倍までの部分)
評価額の3分の2まで課税標準を減額する
⑤ 固定資産税・都市計画税の免税点
同一の市区町村内において同一の個人又は法人が有する土地及び建物の課税標準の合計額が、土地については30万円、建物については20万円に満たない場合には固定資産税・都市計画税は課税されません。
⑥ 一定の要件に該当する場合の固定資産税の減額措置
●認定長期優良住宅にかかる固定資産税の減額措置
●一定の要件に該当する耐震改修工事や耐震化のための建替えをした住宅に係る固定資産税・都市計画税の減額措置
●一定の要件に該当するバリアフリー改修工事をした住宅に係る固定資産税の減額措置
●一定の要件に該当する省エネ改修工事をした住宅に係る固定資産税の減額措置
●その他
⑦ 住宅に係る固定資産税の負担調整
急激な税負担を防止することを目的として次の算式によって計算した負担調整率を乗じて課税標準を計算します。
イ 住宅用地
負担水準=前年度の課税標準額÷(本年度の評価額×住宅用地特例率)×100
注)住宅用地特例率・・・6分の1又は3分の1
●負担水準が80%以上となる場合は前年度の課税標準が据置きとなります。
●負担水準が80%未満となる場合には次によります。
A 前年度の課税標準額
B 本年度の評価額×住宅用地特例率×5%
C A + B = 課税標準額
注)CがBの80%を上回る場合には80%を上限とし、20%を下回る場合には20%を下限とします。
ロ 住宅地以外の宅地
負担水準=前年度の課税標準額÷本年度の評価額×100
●負担水準が70%を超える場合には次によります
本年度の評価額×70%
●負担水準が60%を超え70%以下の場合には、前年度の課税標準額が据置きとなります。
●負担水準額が60%未満である場合には次によります
A 前年度の課税標準額
B 本年度の評価額 × 5%
C 課税標準額 = A + B
注)CがBの60%を上回る場合には60%を上限とし、20%を下回る場合には20%を下限とします。
⑧ 固定資産税評価額の評価換え
固定資産税評価額は原則として基準年度から3年間据え置くこととされています。直近では平成24年度が基準年度となり評価換えの年になります。
3 不動産取得税
① 不動産取得税とは
不動産取得税とは、不動産(土地、建物等)の取得に対して課税される道府県民税です。
② 納税義務者
不動産所得税の納税義務者は、不動産を売買・交換・贈与・建築により取得した個人又は法人です。
注)●登記の有無は問いませんので、未登記物件であっても課税対象となります。
●取得の起因となる事実は、有償・無償又は期間の長短を問いません。
●建築とは新築・増築・改築をいいます
●相続時精算課税制度により贈与税が課税されない場合や夫婦間で居住用不動産を贈与した場合の贈与税の配偶者控除により贈与税が課税されない場合であっても不動産取得税は課税されます。
③ 税率
不動産取得税の税率は次のとおりです。
イ 土地 3%
ロ 家屋のうち住宅 3%
ハ 家屋のうち住宅以外 4%
④ 税額の計算
取得日における課税標準 × 税率
• 取得日とは、契約書等から総合的に判断して不動産の所有権を取得したと認められる日(使用収益が開始した日)です。
• 課税標準とは実際の売買価格や建築価格ではなく市町村に備え付けてある固定資産課税台帳に記載されている又は記載されるべき価格をいいます。
⑤ 免税点
取得した不動産の価格が次の金額に満たない場合には、不動産取得税は課税されません。
• 土地 10万円
• 家屋のうち新築・増築・改築により取得したもの 23万円
• 家屋のうち売買・交換・贈与等により取得したもの 12万円
⑥ 非課税
次に掲げ場合には非課税となります。
• 相続による不動産の取得
• 公共の用に供する道路などの用地の取得
• 法人の合併又は一定の要件を満たす法人の分割による不動産の取得
• 宗教法人、学校法人等によるその本来の事業の用に供する不動産の取得
• 社会福祉法人による社会福祉事業の用に供する不動産の取得
• その他
⑦ 申告
不動産を取得した日から30日以内に都道府県税事務所に申告します。
⑧ 不動産取得税の軽減
住宅又は一定の住宅用地を取得した場合には不動産取得税が軽減されます。
*不動産取得税の詳細は「不動産取得税」の項をご覧ください。
4 自動車税
① 自動車税とは
自動車(軽自動車を除く)の所有者に対して課税される都道府県民税です。
② 納税義務者
自動車税の納税義務者は毎年4月1日現在におけるその自動車の所有者です。ただし、割賦販売の方法により売り渡された場合で売主が所有権を留保しているときは買主である使用者になります。
自動車税は次の③の税額が年額として納めるべき金額ですので、年の中途で購入した場合には月割り税額を登録の際に納付し、また、年の中途で譲渡又は廃車した場合には抹消登録した月の翌月以降分が還付されます。
③ 税額
自動車の種類と排気量によって税額が決まっています。
例)自家用乗用車 単位:円
排気量 | 標準税率 | 50%軽課 | 10%重課 |
電気自動車 | 29,500 | 15,000 | - |
1000㏄以下 | 29,500 | 15,000 | 32,400 |
1000㏄超1500㏄以下 | 34,500 | 17,500 | 37,900 |
1500㏄超2000㏄以下 | 39,500 | 20,000 | 43,400 |
2000㏄超2500㏄以下 | 45,000 | 22,500 | 49,500 |
2500㏄超3000㏄以下 | 51,000 | 25,500 | 56,100 |
3000㏄超3500㏄以下 | 58,000 | 29,000 | 63,800 |
3500㏄超4000㏄以下 | 66,500 | 33,500 | 73,100 |
4000㏄超4500㏄以下 | 76,500 | 38,500 | 84,100 |
4500㏄超6000㏄以下 | 88,000 | 44,000 | 96,800 |
6000㏄超 | 111,000 | 55,500 | 122,100 |
④ グリーン化税制
排出ガス性能及び燃費性能の優れた環境負荷の小さな自動車は、その排出ガス性能等に応じ税率が一定期間軽減されます。また、新車新規登録から一定の期間を経過した自動車は、環境負荷が大きいため税率が重くなります。
⑤ 障害者の方のための減免制度
身体障害者手帳、戦傷病者手帳、療育手帳、精神障害者保健福祉手帳を有し、一定の要件に該当する者は、定められた期限までに申請することにより、自動車税及び自動車取得税の減免を受けることができます。詳しくはお近くの地方運輸局又は運輸支局にお尋ねください。
5 自動車取得税
① 自動車取得税とは
自動車取得税とは、売買等で自動車を取得した個人又は法人に対して課税される都道府県民税です。
② 中古自動車を取得した場合
課税標準額×残価率=取得価額(1,000円未満切捨て)
取得価額×税率=納めるべき税額
注)●課税標準額とは、「自動車取得税の課税標準額及び税額一覧表」に記載されている金額で、車種やグレードにより金額が定められています。
●残価率とは初年度登録から算出した経過年数により定められている割合です。新車購入時を1.0とし、年の経過により低減してゆきます。
●取得価額が50万円以下の場合には課税されません。
●低公害車の場合には税率が引き下げられます。
●ローン完済により所有権を取得しても課税されません。
●相続による取得については課税されません。
③ 新車の場合
課税標準額×付加物の価額=取得価額(1,000円未満切捨て)
取得価額×税率(5%)=納めるべき税額
注)●課税標準額とは、「自動車取得税の課税標準額及び税額一覧表」に記載されている金額で、車種やグレードにより金額が定められています。
●付加物とは新車購入時にオプションで装備したオーディオ、カーナビ等の価格です。
●低公害車の場合には税率が引き下げられます。
④ 税率
自家用自動車 5%
軽自動車・営業用自動車 3%
⑤ 障害者の方のための減免制度
身体障害者手帳、戦傷病者手帳、療育手帳、精神障害者保健福祉手帳を有し、一定の要件に該当する者は、定められた期限までに申請することにより、自動車取得税又は軽自動車取得税の減免を受けることができます。詳しくはお近くの都道府県税事務所にお尋ねください。
6 軽自動車税
① 軽自動車税とは
軽自動車税とは軽自動車の所有者に課税される市町村民税です。
② 納税義務者
自動車税の納税義務者は毎年4月1日現在におけるその軽自動車の所有者です。ただし、割賦販売の方法により売り渡された場合で売主が所有権を留保しているときは買主である使用者になります。
軽自動車税は自動車税と異なり、月割りの制度がありません。従って、年の中途で登録抹消を行った場合であっても月割り税金の還付はありません。
③ 税額
軽自動車税の対象となる軽自動車等は次のとおりです。
区分 | 税額 |
バイク(50㏄以下) | 1,000円 |
バイク(50㏄超90㏄以下) | 1,200円 |
バイク(90㏄超125㏄以下) | 1,600円 |
バイク(125㏄超250㏄以下) | 2,400円 |
二輪小型自動車(250㏄超) | 4,000円 |
原動機付自転車(ミニカー) | 2500円 |
農作業用小型特殊自動車 | 1,600円 |
農作業用以外の小型特殊自動車 | 4,700円 |
軽自動車(営業乗用車) | 5,500円 |
軽自動車(自家用車) | 7,200円 |
軽自動車(営業貨物車) | 3,000円 |
軽自動車(自家貨物車) | 4,000円 |
軽自動車(三輪車) | 3,100円 |
雪上車 | 2,400円 |
被けん引車 | 2,400円 |
④ 障害者の方のための減免制度
身体障害者手帳、戦傷病者手帳、療育手帳、精神障害者保健福祉手帳を有し、一定の要件に該当する者は、定められた期限までに申請することにより、軽自動車税の減免を受けることができます。詳しくはお近くの市区町村にお尋ねください。