寄付金の特別損金算入限度額と損金算入限度額
寄附金とは、金銭、物品その他経済的利益の贈与又は無償の供与をいいます。法人税法では、その支払先等により3つに区分され、全額損金算入が認められたり、一定の金額のみ損金算入が認められたりします。
Q、地方公共団体(都道府県、市町村)に対する寄附金は損金算入できますか?
A、国や地方公共団体(国等)への寄附金は、その全額が損金算入できます。また、財務大臣が指定した寄附金(指定寄附金)についてもその全額が損金算入となります。
Q、工場を誘致したことに伴って支払った、地方公共団体等への寄附金又は負担金は損金算入できますか?
A、できません。この場合、その支出した金額が、実質的に見てその資産の代価を構成すべきものと認められるときは、その支出した金額はその資産の取得価額に算入します。
Q、「国等又は指定寄附金」以外の寄附金の区分を教えてください
A、「特定公益増進法人に対する寄附金」と「その他の寄附金」があります。特定公益増進法人とは、独立行政法人や日本赤十字社など、教育又は科学の振興、文化の向上、社会福祉への貢献その他公益の増進に著しく寄与する次のような法人をいいます。(詳しくは財務省HPに掲載されていますのでご参照ください)
指定寄附金、特定公益増進法人への寄附金以外がその他の寄附金に該当します。
Q、社長の出身校に対する寄附金の扱いはどのようになりますか?
A、法人の役員等の出身校に対する寄附金は、その役員に対する給与(=役員賞与)となり、通常損金になりません。
Q、政治家のパーティー券の購入費用の取り扱いはどうなりますか?
A、通常は「その他の寄附金」に該当すると考えられます。しかしながら、その政治家と企業の利益との間に、何かしらの因果関係がある場合には交際費等に該当すると考えられます。
Q、子会社を整理する際にその債務を引き受けて支払ったのですが、寄附金に該当するのでしょうか?
A、子会社等の解散などに伴い、債務の引き受けや債権放棄等(損失負担等)をやむを得ず損失負担等をした場合は、寄附金の額に該当しないとされています。